2003年度卒業設計・プレゼンテーション(2月8日) |
←平面図
(クリックすると拡大します/150kB) 終端駅という条件を生かし,改札口をプラットフォームの先に配置.北改札口は,天井高35メートルを誇る大空間であり,道の駅や売店が並びます.その先にはフェリーターミナル・空港連絡バスの乗り場を設置,まさに最北観光の帰結点です. 東側には,既存民宿街を移転します.古い町並みを模した民宿長屋を過ぎると,海鮮市場・レストランが見えます.海鮮市場には,囲炉裏を設け,稚内中央地区がこれから取り組もうとしている,炉端焼きプロジェクトの一翼を担えるようにしました. 西側には,駅施設を管理するための,事務室・窓口・信号施設などがあります.また,ローカル線利用のために,単行列車用の改札所・待合室を設けてあります. |
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駅の正面玄関を出ると,別棟のバスターミナルがあります.これは単なる発着場ではなく,レンタカー,郷土料理店,フリーマーケット,駅前交番を収容した,複合施設です. 断面・立面図→ (クリックすると拡大します/151kB) 屋根の軒から棟への高さは,3:4:5の比の辺からなる,ピタゴラスの三角形から決定されています.親子建築という形式は,螺旋曲面を採用した大架構の圧迫感が,必要以上に高まらない工夫でもあります. 季節感を無視し,昼夜を問わず,一定の温度・湿度を保つことは,コストと環境負荷を無視すればいくらでも可能です.しかし,それは稚内市民,観光者,はたまた風来坊をも含めた人々の感性を,簡単にスポイルしてしまう行為です. |
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↑北改札口パース 例えば,本線全体が休止するような暴風雪の日に,ディーゼルのアイドリング音も人々の喧騒も止んだプラットホームが,ロードヒーティングによって加熱され,降りしきる雪を溶かし続ける様は,滑稽です.夏は外部からの来訪者を受け入れた施設が,冬は地元市民の憩う場とならなければ,真の還元とは言えません. 本計画において,プラットホームが最小限の除雪を必要とする形であること,あるいは,北改札口の待合室に座敷を設けたのは,冬を完全に封じこめるのではなく,春の雪解けをしたたかに待つ,北国の粋を尊重したいためです.一種のヒラキナオリとも受け止められるこうした姿勢は,物質文明にひたる,私も含めた者がいつかは克服しなくてはならない,実は,試練でもあるのです. ←民宿長屋パース |
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批評 MU氏 …駅空間の何かを問題設定として捉え,何を達成しようとしたのかが伝わりにくいのが残念だと思います.またプランニングが機能でまとまりすぎており,本当にそこにしかない場所になっているのが気になるところではあります.プラットホームと余剰空間の繋がりなどは,もう少し改善の余地があったのかもしれません. NF氏 1.屋根が大仰である.ターミナルの大屋根は大小の機能や空間を連続的に包含するという一義的な意味だけから決まっているように思う.公園や大火にあった既成市街地や海との関係の中で,もっと繊細に検討されるべきではないだろうか. 2.大屋根の下に包み込まれた古い移築民宿は,当世風のラーメン博物館のようにはならないだろうか.この民宿が街区のなかでどのように存在していたか,それらを読み替えて移築再生する方法は他にもあるはずだ.大屋根に全てが含抱される必要はないはずだ. 3.市場を構内の中で駅と融合させたいのか分節したいのか,そこをはっきりさせたい.おそらく後者に兼古案の真意はある.そこに街と駅の「化学変化」を期待しているはずだ. |
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